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アレルギー( 小児科 )

allergology

小児アレルギー|きくな小児科皮ふ科内科クリニック|菊名駅の小児科・皮ふ科・内科

アレルギー

細菌・カビ・ウイルスなどの「本当の敵」から体を守る役目として「免疫反応」が存在し、感染防御に重要な働きをしています。しかし、本来なら反応しなくても良いような無害なもの(埃・花粉・食物など)に対して、過剰に免疫反応が起こってしまった状態を「アレルギー」といいます。
アレルギーの代表的な疾患として、下記のようなものがあります。
下記のような症状のお悩みや疑問に思う点がありましたら、ぜひご相談にいらしてください。

主な疾患

気管支喘息

急に(発作性に)咳や喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を伴う呼吸症状が繰り返される疾患です。

  1. 呼気時の喘鳴…息を吐くときに認める
  2. 可逆性…気管支拡張剤・吸入などが効果的
  3. 反復性…上記の症状を3回以上繰り返す

上記1~3の全てを認めた場合に、気管支喘息と診断されます。血液検査やレントゲン検査では診断が出来ない疾患の一つです。

埃やダニを吸い込んだ時、激しい運動をした時、風邪をひいた時、急に温度が変化した時などに、喘息の症状が悪化しやすくなります。
喘鳴(喘息発作)を繰り返すと、徐々に発作が治りにくくなるため、継続した治療が必要です。成人では2年以上、小児でも数か月以上喘息症状を認めなければ症状が安定したと考えて良いでしょう。

もう少し詳しい内容を知りたい方は、次のコラムへ・・・

アレルギー性鼻炎(花粉症)

鼻に入ってくるアレルゲン(埃・ダニや花粉など)に対し、アレルギー反応が起こり、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・鼻の痒み等が引き起こされる疾患です。アレルギー性鼻炎には通年性と季節性があります。

通年性アレルギー性鼻炎

 ( 主にダニ・ホコリ ) 

 埃・ダニに対してのアレルギー  2008年 0~4歳:4% 5~9歳:23%

 鼻アレルギー全国疫学調査    2019年 0~4歳:5% 5~9歳:21%

季節性アレルギー性鼻炎

 ( 主に花粉 ) 

 スギ花粉に対してのアレルギー  2008年 0~4歳:1% 5~9歳:14%

 鼻アレルギー全国疫学調査    2019年 0~4歳:4% 5~9歳:31%

アレルギー性鼻炎や花粉症では、アレルゲンの除去・回避のほか、飲み薬点鼻薬点眼薬などの治療が基本です。小学生以上の方で、内服・点鼻・点眼薬などの治療を継続していても症状が強い場合には、舌下免疫療法が適しています。もう少し詳しく知りたい方は、リンク先のコラムをお読み下さい。

小学生以上の方で舌下免疫療法を希望される場合には、下記の動画をお子様と一緒に視聴されてから実際にアレルギー疾患の治療のために通院されている医療機関に相談されることをお薦めします。

スギ花粉症{シダキュア動画}・アレルギー性鼻炎(ホコリダニ){ミティキュア動画}

アトピー性皮膚炎

皮膚に痒みのある湿疹が出たり治ったりし、その症状を繰り返す疾患です。

先天的な体質に加えて、皮膚に発疹・湿疹が出現していると、皮膚のバリア機能が低下します。これにより、様々な刺激・物質が皮膚から侵入し、アレルギー反応が起こりやすくなります。湿疹が存在することで皮膚から水分が蒸発しやすくなり、皮膚は乾燥することとなり、さらに物質が透過しやすくなり、これによって湿疹が悪化するという悪循環が起こります。このため、速やかに発疹・湿疹を落ち着かせることが重要です。

その他の悪化因子としては埃・ダニ・ペットなどがあり、その除去・回避も重要です。食物の経口摂取自体が発疹・湿疹の悪化因子となることはほぼありません

保湿剤の外用では食物の感作の抑制(食物アレルギーの抑制)やアトピー性皮膚炎への移行を防ぐことが出来ない事がわかっています。最近では保湿効果と抗炎症作用の両方が期待できる外用剤が小児でも使用できるようになっていますので、かかりつけの小児科医師に相談してみましょう。

もう少し詳しい内容を知りたい方は、次のコラムへ・・・

食物アレルギー

特定の食品を食べたり吸い込んだりした時にアレルギー反応が起こり、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身に有害な症状が出現することをいいます。

典型的な食物アレルギー

原因食物を食べて30分以内(ほとんどは5~10分以内)に症状が出現します

口の周りや目の周りだけに症状が出現するのではなく、体や手足にも紅斑・蕁麻疹などが出現するのが特徴です。(目の周りや口の周りだけの場合は接触性皮膚炎(接触性アレルギー)の場合がほとんどです。)

即時型食物アレルギーであっても紅斑や蕁麻疹程度の症状であれば食物の除去は行わず、原因食品を適切な方法で摂取することが重要となります。かかりつけの小児科医師に相談してみましょう。

 

まれな食物アレルギー

1・食物依存性運動誘発アナフィラキシー

原因となる食物(主に小麦・甲殻類)を食べてから2時間以内に激しく運動をすることによりアレルギー反応(蕁麻疹・呼吸器症状など)が出現します。

2・口腔アレルギー症候群

花粉症のある人が、原因となる食品(果物・野菜など)を食べることにより症状が出現します。 口の中が痒くなったりピリピリしたり、呼吸症状が出る人もいます。

食物依存性運動誘発アナフィラキシー・口腔アレルギー症候群では、原因となる食物の除去が治療の基本となります。

 

食物アレルギーが気になる方は、日頃から予防接種や乳児健診で受診されている「かかりつけの小児科医」に相談しましょう。

もう少し詳しい内容を知りたい方は、次のコラムへ・・・

蕁麻疹(じんましん)

蚊に刺されたような少し膨らんだ発疹が体に出現し、強い痒みを伴うのが特徴です。

原因のほとんどはストレス・感冒などが原因である特発性(原因不明)であり、特定の食品や特定の内服薬が原因であることは、ほとんどありません。
食品の中には蕁麻疹の症状が悪化しやすくなる成分を含んだものもあります。蕁麻疹の出現した場合には、念のため下記の食品を控えた方が良いでしょう。

下記の食材を摂取した場合は接触性アレルギーや蕁麻疹が起こりやすくなるため、離乳食として乳児に与える場合にも注意が必要です。

蕁麻疹の症状悪化因子とその成分を含有する食品

ヒスタミン

ホウレンソウ・ナス・トマト・エノキダケ・青魚全般

セロトニン

バナナ・キウイフルーツ・パイナップル

アセチルコリン

タケノコ・落花生・サトイモ・山芋・そば・クワイ

ノイリン

サンマ・タラ・サケ

その他

エビ・カニ・イチゴ・チョコレート・チーズ・メロン

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎(接触性蕁麻疹・接触性アレルギー)とは、刺激物や原因となる物質に触れた場所が痒くなったりヒリヒリとしたり痛くなったりする皮膚の炎症のことです。症状が進むと湿疹・水ぶくれ・蕁麻疹が出現したり、皮が剥けたり肌がガサガサしたりする場合があります。

上記のように記載すると、とても珍しい疾患のように思われるかもしれませんが、小児では日常的に起こっている症状で、離乳食を食べさせた時の口周囲の炎症(紅斑や蕁麻疹)・よだれかぶれおむつかぶれなども接触性皮膚炎の一つです。

通常の皮膚は沢山のきめ細やかな層が重なりバリアの機能を有していて、外からの異物・刺激が通過しないようになっています。

皮膚の障害が起こっている湿疹や炎症を伴った皮膚では外的刺激が侵入しやすくなることから、通常の皮膚よりも接触性皮膚炎が発症しやすくなります。

小児で接触性皮膚炎を起こしやすい薬剤としては、おむつかぶれ等に使用されやすいアンダーム軟膏・アズノール軟膏などがありますので使用する場合には御注意ください。

乳児期の離乳食以外に幼児期以降でも接触性皮膚炎を起こしやすい食品を下記の表に記載しましたので参照ください。

成人期で接触性皮膚炎を起こしやすい金属・外用剤・化粧品・日用品などについては、皮膚科で御相談ください。

病型 原因食材 症状

刺激性

接触性皮膚炎

イモ類(ヤマイモ・サトイモ・こんにゃくなど)、アロエ、パイナップル、キウイフルーツなど

食べた時に口の周りに痒み・紅斑

外用部位にも生じる

含まれるシュウ酸カルシウムが原因
モモ、タケノコ 機械性刺激性接触性皮膚炎 表面の毛が接触し生じる
ニンニク びらん・潰瘍が生じることも 含まれるアシニンが原因

アレルギー性

接触性皮膚炎

マンゴー、カシューナッツオイル、銀杏など マンゴーは口周囲、銀杏は全身性のことも マンゴール・カルドール・ビロボールなどのレゾルシノール誘導体が原因
健康食品(プロポリス・キチンキトサンなど) 民間療法として外用部位に皮膚炎 香料やローズオイルなどと交差反応あり
光接触皮膚炎 せり科(セロリ・パセリ)、柑橘類(ライム・レモンなど)、クワ科、イチジクなど 果汁や葉汁などが付着し日光に当たると生じる 含有されるソラレン類似物質・フロクマリンが原因