季節の変わり目、冬の乾燥によるお肌の変化
- 2024年12月10日
- 皮ふ科
今年も残すところ、あとわずかとなりました。
幸いにも良い天気が続いていますが、気温の変化や乾燥など、季節の変わり目は肌にとっても影響しやすく、何か変化を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのような乾燥する季節に起こりがちな悩みと対策についてご紹介します。
冬の季節に起こるお肌の変化
・乾燥:空気が乾燥するにつれて、皮膚の水分が失われ乾燥しやすくなります。乾燥は、小じわや肌荒れ、手足のきれつの原因となるため注意が必要です。
・肌のゆらぎ:温度差や乾燥によって皮膚のバリア機能が低下すると、かゆみや赤み、湿疹、にきびなどの吹き出物などの肌トラブルが起こりやすくなります。
乾燥の原因
・生理的な要因:乳幼児や小児では皮膚の生理機能が未熟で、皮脂のバランスや保湿因子が少なくバリア機能が低いことが知られています。かさかさした乾燥肌だけでなく、鳥肌様のこまかいざらざらした肌質もよくみられます。一方で、年齢を重ねると汗腺や皮脂腺などの皮膚機能の変調や肌代謝の低下などが乾燥肌に影響することが考えられています。
・環境要因: 秋や冬は、外気の気温や湿度が下がり、皮膚を取り巻く環境の変化が乾燥の原因になります。暖房器具や毛布、冬服の生地、入浴時の熱いお湯や洗い方など、生活環境にも悪化因子がみられます。
・基礎疾患の要因:アトピー性皮膚炎や魚鱗癬といったバリア機能の低下を生じやすい皮膚疾患や、糖尿病や慢性腎臓病、内臓疾患などの基礎疾患も乾燥肌やかゆみの原因となりやすいことが知られています。
スキンケアのポイント
・保湿を徹底する:しっかりと保湿を行い、肌の水分やバリア機能を保ちましょう。保湿剤にはローションやクリーム、ワセリンなど、さまざまなテクスチャーの保湿剤があります。乾燥が強い場合は、クリームタイプなどのしっとりとしたもの、保湿効果の高い成分配合の保湿剤を使うのもおすすめです。
・洗顔や入浴時に、過度の石鹸の使用やすすぎ残し、ナイロンタオルなどでの洗浄も乾燥肌へ影響すると考えられています。石鹸はぬるま湯を加えて泡立てて、手のひらで優しく洗うようにしましょう。お湯の温度は40度以下を目安にし、熱いお湯での乾燥やかゆみから予防しましょう。
・暖房器具や電気毛布などを使用すすると相対的に乾燥しやすくなるため、適宜保湿や加湿を行い、暖房器具の長時間の使用にも留意しましょう。
最後に
・季節の変わり目、冬の乾燥は肌にとって大きなストレスとなります。適切なケアをして肌の調子を整えていきましょう。
・一時的な乾燥肌であれば、保湿ケアでの対応ですみますが、乾燥がすすむとかゆみや炎症が発生しやすくなります。かゆみや赤みを生じたり、ひっかいて悪化してしまう場合など皮膚トラブルを起こすと治療が必要になることがあります。自宅でのケアで良くならないときは、医療機関へ御相談ください。
・にきび治療:抗菌薬や炎症を抑える薬等で治療します。洗顔石鹸はノンコメドジェニックの製品、低刺激のものがおすすめです。冬は乾燥しやすいので保湿ケアも大切です。
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