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伝染性紅斑とは・・・|きくな小児科皮ふ科内科クリニック|菊名駅の小児科・皮ふ科・内科

伝染性紅斑とは・・・

伝染性紅斑(erythema infectiosum)とは、ヒトパルボウイルスB19(Human parvovirus B19)の感染によって発症する幼児・学童の小児を中心として流行する発疹性疾患です。

典型例では両頬に赤い発疹(蝶形紅斑)が出現することが特徴的で、リンゴのようになることから「リンゴ(ほっぺ)病」とも呼ばれますが、感染しても約4分の1の症例では不顕性感染(症状が出現しない状態)となります。

感染経路

感染経路は通常は飛沫感染もしくは接触感染です。

臨床症状

感染してから発疹が出現するまでに3から4週間ほどの潜伏期間があります。

感染後1~2週間して感冒症状(発熱・咳嗽・鼻汁など)が出現しますが、この時期が感染力が強い時期となります。感冒症状から7~14日後に両側頬部に境界が明瞭な赤い発疹(蝶形紅斑)、上腕や大腿部にも網目状またはレース状の赤い発疹が出現しますが、体幹(胸・背中)には発疹が出現しないことが特徴です。発疹出現時期には接触者への感染力をほとんど認めず、発疹自体は1週間程度で消失します。

合併症

関節炎・関節痛 ・・・ 小児よりも成人に多く、男性よりも女性に多い

貧血      ・・・ 溶血性貧血疾患の既往がある人は重症な貧血を起こすことがある

その他の合併症として関節リウマチ・血小板減少性紫斑病・血球貪食症候群などもありますがごくまれです。

治療

特異的な治療薬はありません。発疹が出現して診断が確定した時期には感染力がほとんど認めないため、診断後に保育園や学校を休む必要はありません。

最後に

典型例では診断を間違えることはほぼありませんが、非典型例では風疹・麻疹・多型紅斑・溶連菌感染症・膠原病(SLEなど)など他の疾患との鑑別が必要な事も多いため、早めにかかりつけの小児科を受診しましょう。