とびひ(伝染性膿痂疹)について
- 2025年5月20日
- 皮ふ科
とびひ(伝染性膿痂疹) とは
あせも、虫さされ、かぶれなどをひっかいたり、転んだ傷口などの患部に発症しやすい、細菌によって引き起こされ広がる疾患です。
水ぶくれ(水疱)、びらん、かさぶた(痂皮)といった症状が、次々に移って拡大することから「とびひ」と言われます。
とびひの原因
とびひは、黄色ブドウ球菌や溶連菌といった細菌が起因しており、水ぶくれやかさぶた、びらん、膿や滲出液といった症状を呈します。
健康な皮膚では発症しづらいですが、湿疹や虫さされ、傷などの皮膚の弱った部位に感染しやすくなります。かゆみを伴うことが多く、ひっかくことで病変が拡大したり、うつってしまいます。
汗をかきやすく、ジメジメした夏に多くみられる疾患ですが、アトピー性皮膚炎などで肌が弱いと季節を問わず発症することがあります。
治療・生活で気をつけること
【治療】
治療は抗菌薬を使用します。軽症であれば塗り薬で対応可能ですが、病変の範囲が広い時には内服治療も行われます。
とびひの原因となる患部の湿疹や虫さされなどに対する治療も並行して行う場合もあります。
シャワーで洗うことも大切です。優しく洗い、清潔なガーゼで保護しましょう。
【ひっかかないように留意】
ひっかいて悪化するため、かゆみがあってもできるだけ掻かないようにしましょう。爪を短く切っておくことも大切です。
【タオルや入浴などの注意点】
接触でうつることがあるため、家族や他の人にうつさないよう気をつけましょう。タオルの共有は避けましょう。入浴の順番は最後にしましょう。
【プールや登校登園について】
登校や登園する場合は、患部をガーゼ等で覆い、感染対策を心がけましょう。園と相談し方針に従いましょう。とびひの症状が強く範囲が広い場合や、ガーゼで保護できない場合は、休ませる必要もあります。
水泳やプールは治癒するまで避けましょう。
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