便秘症の治療方法(食事療法)
- 2024年7月1日
- 小児科
便秘症の食事療法として①水分 ②プロバイオティクス ③食物繊維の関与が重要となります。
①水分
薬物治療を行っていない患者については、臨床的に脱水症状を認めなければ水分の過剰摂取によって便秘症が改善するというデータはありません。
一方ポリエチレングリコール(モビコール)などの便秘薬を内服中の症例では水分を摂取した方が便秘が改善したと報告されています。
北米小児栄養消化器肝臓学会ではプルーン・梨・リンゴ・柑橘類などのジュースの含まれる果糖やソルビトールが排便を促進すると報告されています。
②プロバイオティクス
母乳栄養児が人工乳栄養児に比較して腸内細菌叢で乳酸菌の割合が多く緩い便を呈する事、成人の便秘症では腸内細菌叢におけるLactobacilli や Bifidobacteriaの割合が低下していることから、便秘症におけるプロバイオティクスの有効性が指摘されています。
③食物繊維
食物繊維とは人の消化酵素では分解されない食物中の難消化成分の総体と定義され水様性・不溶性の二つがあります。
水様性食物繊維はプレバイオティクス効果があり消化管内で消化吸収されずに結腸まで到達し乳酸菌やビフィズス菌の増殖を促進する効果があります。
不溶性食物繊維は水分を吸収して膨張し便量を増やす効果が期待できます。便量が多くなると消化管から速やかに排出されるようになるため便通改善が期待できます。