乳幼児の正常な便の硬さ・・・
- 2023年1月19日
- 小児科
便性(便の硬さ)は年齢とともに個人差が大きくなります。
生後1から2か月の乳児期初期の場合、母乳栄養児では黄色の粒粒の混じったほぼ水様の便、人工乳栄養児では黄緑色から緑色のほぼ水様便からやや泥状の便が正常です。Bristol stool scaleで判断すると新生児期は7程度です。
便の色の違いは排泄された便のpHによるもので、酸性では黄色、アルカリ性では緑色、中性では茶色になる事が多く、黄色・茶色・緑色であっても正常な便と考えてよいでしょう。
その後便は徐々に固くなり、母乳栄養児では生後3か月には泥状便、離乳食が始まる生後6か月頃にはソフトクリームよりやや軟らかい程度の便になります。人工乳栄養児では母乳栄養児よりやや硬めになりやすく、ソフトクリームよりやや硬め程度の便になることが多いようです。Bristol stool scaleで判断すると生後4から6か月の乳児期では6(やや硬めなお子さん・人工乳栄養児で5程度)です。この時期にバナナ様より硬い便が出るようであれば便秘の可能性が高いと思われます。
その後も離乳食が増え年齢が上がるにつれて便は硬くなりますが、2歳ごろの幼児ではソフトクリームよりやや硬め程度~細長く表面がつるんとしたソーセージ様の便が一般的です。Bristol stool scaleで判断すると2歳以上の幼児の便性は4~5が標準的な便の硬さです。この時期に太いバナナ様より硬い便が出るようなら便秘の可能性が高いと思われます。
4~5歳では細長いソーセージ様から細いバナナ様の便となります。Bristol stool scaleで判断すると4~5歳の便性は4程度が標準的な便の硬さです。この時期に表面がデコボコしていたり、大きな丸い便が出たりするようなら便秘の可能性が高いと思われます。
ちなみにBristol stool scaleとは西洋の成人を対象にして作成された便性のスケールであるため、日本人(特に小児)と比較して「やや硬めの便性が正常範囲」となっています。