流行性結膜炎とは・・・【 小児科 】
- 2024年5月19日
- 小児科
流行性結膜炎とは、眼のかゆみ・痛み、めやに(眼脂)などの眼症状を主とする急性のウイルス感染症の総称の中で、アデノウイルスにより発症する疾患を指します。
流行性結膜炎はアデノウイルス37型の感染による事が多いのですが、アデノウイルス53・54・56型などでも流行性結膜炎となることがあります。
通年性に発症し夏季に多い傾向がありますが冬季に流行することもあります。
感染経路
主に手指を介した接触性感染であり、結膜を介して感染します。
臨床症状
潜伏期間は5~7日間。片側の結膜炎(結膜充血・羞明・流涙・眼脂)が数日中には両側に広がります。特に眼球結膜(いわゆる白目)の充血が強いのが特徴です。結膜炎の症状は7日~14日間程度持続します。
結膜炎の症状が悪化・遷延化した場合には角膜上皮下混濁が出現し視力低下を伴うことがあり注意が必要です。
診断方法
抗原検査キットを用いて患者の角膜・結膜ぬぐい液で検査します。検査前に眼に麻酔処置する必要や検査後に出血する事もあるため、流行性結膜炎の確定診断は眼科での検査をお勧めします。
抗原検査キットは特異度は高いのですが、感度が低く偽陰性が多い検査です。(陰性でもアデノウイルス感染症の否定はできません。)
治療方法
抗アデノウイルス薬といった特異的な治療方法は無いため、点眼薬(抗生剤・ステロイド)による合併症などへの対処療法が中心となります。アルコール消毒では効果が弱いため、感染予防には流水による手洗いが有効です。
学校保健法における取り扱いについて
「結膜炎の症状(充血・眼脂など)が消失するまでは出席停止」と決められています。