手足口病とは・・・【 小児科 】
- 2023年2月11日
- 小児科
手足口病とは、口の中(主に軟口蓋)や手足(主に手掌・足底)に水泡や発疹が出現する疾患で、ウイルスの感染によっておこる感染症の一つです。発熱と同時に発疹が出現しない人も多く、発熱1~2日してから手足に発疹が出現する事も多いことが特徴です。
最初に発熱・口の発疹だけが出現し「ヘルパンギーナ」と診断された後、手や足に発疹が出現して「手足口病」と診断されることもあります。発疹が増加すると、肘・膝・臀部にも発疹が出現しますが、腹部や背部に発疹が出現する事はまれです。
以前は夏に流行していたため夏風邪の一種となっていましたが、最近では秋や春にも流行することも多くなっています。
コクサッキーウイルスA6・A10・A16、エンテロウイルス71などの数種類のウイルスが病気の原因となります。
感染経路
飛沫感染・接触感染・糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染)等があります。保育園や幼稚園では流行し集団感染することもあります。
手足の発疹が落ち着いても、発症から1カ月は便からウイルスが排泄されることがわかっています。
臨床症状
感染して3~5日後に、口の中・手・足に2~3㎜の水泡・紅斑が出現します。発熱は3人に1人程度です。重症化すると膝・肘・臀部等にも発疹が出現します。
1カ月後に手足の爪が脱落することがありますが一時的で自然に治ることがほとんどです。
治療方法
手足口病には特効薬がありません。発疹は1週間ほどで消失することが多いようですが、掻き壊して膿痂疹になった場合には適切な外用剤が必要となります。のどが痛くて食事がとりづらい場合には、軟らかくて甘い食べ物(ケーキ・お菓子)や飲みやすい水分(牛乳・ミルクティー・ココア)などを摂取すると良いでしょう。
最後に
発疹が多い場合には、水痘との鑑別が必要な場合があります。極まれに髄膜炎や脳炎等の合併症を伴う事もありますので、早めにかかりつけの小児科を受診しましょう。