10月下旬の感染症の動向について・・・【 小児科 】
- 2025年10月23日
- 小児科
令和7年10月23日は24節季のひとつ、「霜降(そうこう)」です。10月下旬になって横浜でも急に朝晩の冷え込みが強くなり、山里では霜が降りるころになりました。
ちなみに「霜」とは、「0度以下に冷えた草木や地面等に空気中の水蒸気が接触・昇華し(水蒸気が直接凍ること)氷の結晶として堆積したもの」です。
朝になり路や地面が霜で真っ白になっていた風景を見て、昔の人は「夜中に雨や雪のように霜が空から降っていたのだろう」と考えたため、現在でも「霜が降りる」が使われています。
10月下旬の菊名周辺の感染症の動向をお伝えします。
インフルエンザが菊名周辺では減少傾向です。インフルエンザは発症早期に抗インフルエンザ薬を使用する事で、症状が軽減すること・ウイルスの排出が減少すること、家族への感染が減少することがわかっています。発熱48時間以内に治療を開始しないと効果が期待できないため発熱翌日にはかかりつけ医を受診しましょう。
新型コロナ感染症が一部の小学校・中学校で流行しています。現在流行している新型コロナ感染症は発熱・咽頭痛などのインフルエンザ様症状を認める事が多いようです。
RSウイルス感染症は、減少傾向です。発熱・咳嗽・鼻汁が出現し、2歳未満の乳児が感染すると呼吸症状が悪化し喘息のような喘鳴(ゼーゼー)が出現し、肺炎・中耳炎等を合併しやすいため注意が必要です。小学生では発熱は少なく、喘息症状が悪化したり咳嗽が長引く症例が多いようです。
アデノウイルス感染症が一部の保育園で流行しています。発熱が持続して結膜炎や中耳炎も併発する事があります。治療薬はなく対処療法を行います。解熱後48時間は保育園・幼稚園等には登園できません。
溶連菌感染症が一部の保育園・小学校で流行しています。咽頭痛・発熱・発疹(汗疹のような痒みのある発疹)などを認めることがありますが、咳嗽を伴わないのが特徴的な疾患です。発熱を伴わずに発疹だけで発症することがあり、治療せずに放置すると腎炎を引き起こす事がありますので御注意ください。
上記の疾患は迅速診断検査キットがある感染症です。心配な方は早めにかかりつけ医を受診しましょう。

